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NPS調査の業界別スコア目安と文化的要素の考え方

『うちのNPSスコアって低いの?』

NPS調査(ネット・プロモーター・スコア調査)を活用する上で、そう感じたことはありませんか?実はスコアの“低さ”には、国や文化の違いが大きく影響していることがあります。

この記事では業界ごとの目安とともに、日本人の評価傾向にどんな特徴があるのかをわかりやすく解説します。

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NPSスコアの基準を知る!

NPS調査とは?

例えば、あなたがあるサービスを使った後に、

「このサービスを友達にすすめたい?」

と聞かれた時、あなたは何点つけるでしょうか?

NPS調査(ネット・プロモーター・スコア調査)は、顧客がどれだけ自社を他人に推薦したいと思っているか?を測るシンプルな指標です。

あなたの”ファン”はどれくらい?「紹介される力」を見える化

NPSはこのような質問をもとに、顧客を

推奨者(9〜10点)
中立者(7〜8点)
批判者(0〜6点)

の3つのタイプに分類します。
そして「推奨者の割合 − 批判者の割合」で導き出される数値が、その企業のNPSスコアです。

満足度を超えて、サービスやブランドのファンになっているかどうかを測れるため、多くの企業がNPSを顧客ロイヤルティの指標として導入しています。

世界中の人々の前面にNPSアンケート表示

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NPSの調査は、顧客ロイヤリティを測定するための有力なツールとして多くの企業で採用されています。NPSの基本概念とその重要性について詳しく解説します。

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国内のNPSスコア 何点なら合格?

NPSスコアには「この点を超えれば合格点」という明確なラインはありません。

グローバルなスコアの目安としては、
「0ポイントを超えればポジティブ、30ポイントを超えれば優良スコア」とされます。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。

NPSの落とし穴 評価がマイナスに転じやすい

日本ではそもそもNPSスコアが低く出やすい文化背景があるため、グローバルな基準で評価するのに適していません。

実際のところ、日本の優良企業でも-20ポイント〜0ポイント程度が一般的な目安です。つまり、業界別に見れば相対的に点数が高いか低いかという傾向がつかめます。

以下にご紹介する
NTTコムオンラインのNPS業界別ランキングにおいても、マイナスポイントが目立つことがわかります。

大手ネット専業型旅行会社

NPS -1.5ポイント (業界平均 -14.7ポイント)

大手総合型旅行会社

NPS 1.1ポイント (業界平均 -8.9ポイント)

大手ガス会社

NPS -32.2ポイント (業界平均 -45.6ポイント)

大手クレジットカード会社

NPS -19.2ポイント (業界平均 -40.0ポイント)

大手ネット証券会社

NPS -8.3ポイント (業界平均 -24.7ポイント)

また同じくNTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションの18業界のNPSベンチマーク調査レポートでは、スコアはマイナスになっているものの通販系業界、化粧品業界などのネットを介したサービスでNPSスコアが高い傾向にあることが明らかになっています。

対面証券

NPS -53.9ポイント

電力

NPS -48.3ポイント

クレジットカード

NPS -38.7ポイント

アパレルECサイト

NPS -20.1ポイント

ネットスーパー

NPS -14.3ポイント

通販化粧品

NPS -12.0ポイント

自社のNPSはどう読み解く?正しい理解のコツ

NPSスコアは数値だけ見ても意味がありません。

「なぜこのスコアなのか?」

を深掘りしてこそ価値があり、かつ有効にビジネス改善に役立てられる指標となります。以下の3つの視点を用いて読み解くことで、正確に”今の顧客の声”を把握できます。

業界平均と比較 立ち位置を把握する

・同業他社と比べて高いか?低いか?
・業界平均が-20ポイントなら、自社の-5ポイントは悪くない可能性も。

誰が何点付けたか?内訳を確認する

・推奨者(9〜10)、中立者(7〜8)、批判者(0〜6)の比率を確認
・特に批判者が多い場合は、ネガティブ要因の特定が急務です。

時系列でスコアを追ってチェック

・一度のスコアで判断せず、月次・四半期ごとのトレンドで見る
・キャンペーン・リニューアル・トラブルの影響を踏まえて解釈を

読み解き方のヒント

「スコアが落ちた」=悪ではなく、変化の背景が大切です。また批判者のコメントには改善のヒントが眠っているため、自由記述形式の質問などを活用して背景を探るのがベストです。

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NPSに影響する文化的な違いとは?

NPSスコアがグローバルではプラス、日本国内ではマイナスになってしまう背景には、文化的な違いが関係しています。

日本ではなぜマイナス?評価文化のギャップ

「うちのNPSスコア、他国と比べてずいぶん低い…」

そう感じたとしても、それは顧客満足度が低いからとは限りません。

実は、NPSには国民性や文化的価値観が大きく影響しています。特に日本では、次のような評価傾向が見られます。

1.満点はめったに付けない文化

「完璧」は存在しないという意識から、9〜10点を避ける傾向があります。

2.中間点を選びがち

「どちらとも言えない」が最も無難とされる価値観。

3.感情を強く表現しない文化

「とても良かった!」という気持ちを点数に反映させにくい

ここまで違う!NPSスコアに関する文化比較

国や地域によってNPSスコアの傾向は違います。以下は、その一例です。

国名 評価傾向 スコアへの影響
日本 中間・控えめ スコアが低く出やすい
アメリカ はっきり評価
ポジティブ強調
スコアが高く出やすい
ドイツ 厳格・批判的 中間以下が多く
スコアが低め
中国 過剰に評価される傾向も スコアが高くなりやすい
場合もあり

グローバルの業界別NPSスコア目安

以下は、グローバルの業界別NPSスコア目安です。

こうしたグローバルなスコアは、自社の立ち位置を把握するための目安になりますが、文化や顧客層の違いもあるため、日本国内での活用時には参考程度に留めるのが得策です。

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方 為替 金融

金融業界

金融は信頼性と顧客サービスが重視される一方で、評価がわかれやすい業界です。

この業界のNPSスコアの基準値は、15〜35ポイント程度です。高評価を得ている金融機関では40以上のスコアも見られます。

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方 プログラム IT

IT・テクノロジー業界

日本のIT・テクノロジー業界では、優れたユーザーエクスペリエンスと技術サポートが評価に影響します。

この業界のNPSスコアの目安は、平均して30〜50です。トップ企業では50以上を目指すことが一般的です。

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方 小売業界 スーパー

小売業界

小売業界のNPSスコアは、商品品質とサービスの質、顧客体験の良し悪しによって決まります。

一般的なスコアの目安は40〜50です。優れた顧客サービスを提供する小売企業では45以上を目指すことがあります。

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方 旅行業界

ホスピタリティ・観光業界

ホスピタリティ・観光業界では、接客や施設の清潔さ、顧客体験が評価されます。

この業界のNPSスコアの目安は、40〜50です。高い顧客満足度を実現している企業では、55以上のスコアが見られます。

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方 ヘルスケア

ヘルスケア業界

ヘルスケア業界では信頼性と安心感が重要です。

この業界のNPSスコアの基準値は、10〜20前後です。高い評価を受けている医療機関では、35以上のスコアも目標とされます。

※これらは業界別に見られる一般的なスコア傾向であり、企業や調査年度により異なります。

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文化背景を踏まえたNPS調査設計と活用方法

NPS調査の設計段階から“文化的なクセ”を織り込んでおくことで、より正確なインサイトが得られます。

1.設問表現を文化に合わせ最適化

例:「10点満点で評価してください」よりも「あなたはどの程度の確率でこのサービスを紹介したいと思いますか?」

といった行動ベースの聞き方に変えると回答しやすくなる。

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2.自由回答をセットで儲ける

点数だけでは“なぜその評価なのか”が理解しにくいと言えます。

自由記述や選択肢付きの理由欄を用意して、解釈の精度を高めましょう。

3.定点観測でスコアの推移を見る

スコアは一時的なイベント(例:障害・値上げ・キャンペーン)で上下します。

定期的に調査を行い、中長期的なトレンドで評価することが大切です。

『スコア数値は改善のきっかけ』

NPSの目的は点数を高めることではありません。
『顧客の本音を知ってサービスを改善すること』にあります。

推奨者:なぜ支持されているのかを分析し、強みに変える
批判者:どこに不満があるのかを把握し、早期改善につなげる


スコアそのものに一喜一憂せず、変化の背景を掘り下げる習慣が何より重要です。

NPS活用事例 ”顧客の声を活かす企業”の取り組み

NPSスコアで大切なのは、顧客からの“なぜこの評価なのか”という声を受け止め、サービス改善につなげることです。

ここでは、実際にNPS調査を起点に改善や成果を得た企業の取り組みをご紹介します。スコアの裏にある気づきをどう活かせばいいのか、その参考にしてください。

事例1. SaaS企業

”批判者”の声を活かし、UIを抜本的に改善

業務支援ツールを提供するA社では、リリース後に実施したNPS調査でマイナス15という低スコアが出ました。

特に、0〜6点をつけた批判者からは「操作がわかりづらい」「初期設定でつまずいた」といったUXに関する不満が多数寄せられていました。

見直しと改善

そこで同社は、批判者のコメントをもとにオンボーディング画面とUI構造を見直し。

3か月後に再度実施したNPS調査では、スコアがマイナス15からプラス10に改善。加えて、初月の解約率も20パーセントから8パーセントに下がるという成果につながりました。

この事例のポイント

この事例から、NPSスコアは数値以上に「なぜその評価になったのか」という顧客の声を読み解くことが鍵であるとわかります。

事例2. D2Cブランド

”推奨者”の声をもとに商品ページを改善

健康食品を定期販売するB社では、NPS調査を通じて約35パーセントの顧客が9点以上を付けていることがわかり、比較的良好なスコアを得ていました。

さらに「なぜ紹介したいと思うのか?」という自由記述を分析すると、「原材料の品質が信頼できる」「効果を実感している」といったコメントが多く見られました。

見直しと改善

そこで同社は、推奨者の声をもとに商品ページを見直し、これまで簡単にしか説明していなかった成分表記や開発ストーリーを丁寧に追記。

また、実際の利用者コメントも掲載することで、購入検討中の訪問者に安心感を与える工夫を行いました。

結果として、リニューアル後のページでは購入率(CVR)が約15パーセント向上し、リピート率にも好影響が見られるようになりました。

この事例のポイント

上記の例のように、NPS調査は不満の発見だけでなく、支持されている要素を見極めて強化するヒントにもなります。

事例3. 定額制映像配信サービス

中立者層の意識変化によりスコアが改善

映像配信サービスを展開するC社では、NPS調査で7〜8点を付けた「中立者」が全体の半数以上を占めていました。

調査後のインタビューを通じて判明したのは、「不満はないが特別にすすめたいほどではない」「機能は十分だが印象に残らない」といった、いわば“可もなく不可もない”という評価が中心だったことです。

見直しと改善

この結果を受けて同社は、月1回の特集コンテンツ配信や、ユーザーの好みに応じたレコメンド強化など、サービス体験に印象を残す工夫を加えました。また、ユーザーへのアンケート回答後に自動で感謝特典を送るなど、利用者との接点も強化しました。

その結果、3ヶ月後の再調査では、推奨者(9〜10点)が12ポイント増加し、NPSスコアは10ポイント改善。

数字だけでなく、顧客のコメントにも「前よりも愛着が持てるようになった」といった前向きな表現が目立つようになりました。

この事例のポイント

この事例ではスコアの改善はもちろんですが、NPSスコアを読み解くことでユーザーとの関係性そのものを見直すきっかけにもなるということが示されています。

NPSスコアを改善するには?

NPSスコアを向上させるには、調査結果をもとに課題を見つけ、サービスや対応の改善につなげていくプロセスを踏んでいきます。

特に批判者の声に耳を傾け、小さな不満を早期に解消することが鍵となります。アンケート設計やフォローアップの方法を工夫することで、NPSは着実に改善可能です。

具体的な改善方法については、以下の記事「NPS スコアを改善する方法とは?」で詳しく解説しています。

NPS調査の目安に関するFAQ

NPSスコアとはどのような指標ですか?

NPS(ネット・プロモーター・スコア)は、顧客が企業の製品やサービスを他人に推薦する意欲を測る指標です。0から10のスケールで評価し、推奨者(9-10)、中立者(7-8)、批判者(0-6)に分類します。スコアは推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値で表され、顧客の忠誠度や満足度を示します。

NPSスコアの平均はいくつですか?

NPSスコアの平均は国や業界によって異なりますが、日本の場合は評価の中間を選ぶ傾向や文化的背景の影響から、マイナス評価でも高い評価になる場合が多いようです。

グローバルでは0から30の間が普通とされており、30以上が良好なスコアと見なされます。70以上のスコアは非常に高い顧客満足度と忠誠度を示します。

NPSの数値の見方は?

NPSの数値は、顧客の忠誠度を示す指標です。スコアは推奨者の割合から批判者の割合を引いたもので、プラスのスコアは顧客の好意的な支持を示します。

0以上は肯定的、50以上は優れた水準、70以上は卓越した水準と評価されます。逆に、マイナスのスコアは改善が必要であることを示します。

顧客満足度とNPSの違いは何ですか?

顧客満足度(CSAT)は、特定の製品やサービスに対する満足度を測る指標で、顧客がその経験に対してどう感じたかを示します。一方、NPSは顧客が企業全体に対してどれだけ忠誠心を持っているか、他人に推奨する可能性があるかを評価する指標です。CSATは短期的な満足度を測るのに対し、NPSは長期的な顧客関係の指標です。

日本の文化を考慮した調査設計とは?

日本の文化を考慮した調査設計では、敬意を表す言葉遣いや礼儀正しさが重要です。また、日本の顧客は直接的な批判を避ける傾向があるため、質問の文言を慎重に選び、間接的な表現や肯定的な質問形式を使うことが効果的です。

また、選択肢に「普通」や「どちらとも言えない」を含めることで、回答者が率直に答えやすくなります。

目安を知り、文化的要因を考慮したNPS調査設計

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方

日本市場でNPS調査を効果的に活用するためには、文化的要因を考慮することが不可欠です。

集団主義、顧客満足度に対する期待、フィードバック文化の違いを理解し、調査設計やフィードバックの収集・分析を工夫することで、正確なNPSスコアを得られます。企業は顧客ロイヤルティを高め、競争力を強化するための具体的な改善策を導入しましょう。

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