HomeCVR改善対策TipsCase studyNPS調査の業界別スコア目安と文化的要素の考え方

NPS調査の業界別スコア目安と文化的要素の考え方

NPS調査(ネット・プロモーター・スコア調査)を活用する上で、以下のような疑問がありませんか?

・自社のスコアは競合他社と比べて高い?低い?
・業界ごとのNPS平均値はどれくらい?
・どうして国によってスコアの傾向が違うのか?

結論から言えば、日本では文化的背景や評価スタイルの違いにより、NPSスコアが他国と比べて低くなる傾向があります。この記事ではNPSの業界別スコアの目安や、日本人特有の文化的要素の背景と対応策についてご紹介します。

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NPS調査とは?

NPS調査(ネット・プロモーター・スコア調査)は、顧客ロイヤルティと満足度を測定するためのシンプルで効果的な指標です。

この指標は顧客が企業や製品、サービスを他者にどれだけ勧めたいかを示すもので、アンケート形式で実施されます。具体的には、顧客に「あなたはこの企業(または製品/サービス)を友人や同僚にどの程度推薦しますか?」という質問をし、0から10のスケールで評価してもらいます。その結果に基づき、顧客を推奨者、批判者、中立者の3つのカテゴリーに分けて全体のNPSスコアを算出します。

NPS調査は、顧客満足度だけでなく、将来のビジネス成長を予測する強力なツールとして、多くの企業で活用されています。

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日本国内のNPSスコア目安

日本国内では、大手企業であってもNPSスコアが−40前後になることも珍しくありません。これは顧客の満足度が低いというよりも、衝突を避けるために意見を曖昧に伝える文化から「評価の中間を選ぶ傾向」があること、また「高評価を控える文化的背景」が影響しています。

NTTコムオンラインの調査でも、銀行・クレジットカード業界などで業界平均がマイナス40台という結果が報告されており、国内では「スコアの高さ」よりもスコアの推移やコメントの質に注目する運用が推奨されます。

以下に、NTTコムオンラインのNPS業界別ランキングから一部を抜粋してご紹介します

大手ネット専業型旅行会社

NPS -1.5ポイント (業界平均 -14.7ポイント)

大手総合型旅行会社

NPS 1.1ポイント (業界平均 -8.9ポイント)

大手ガス会社

NPS -32.2ポイント (業界平均 -45.6ポイント)

大手クレジットカード会社

NPS -19.2ポイント (業界平均 -40.0ポイント)

大手ネット証券会社

NPS -8.3ポイント (業界平均 -24.7ポイント)

また同じくNTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションの18業界のNPSベンチマーク調査レポートでは、スコアはマイナスになっているものの通販系業界、化粧品業界などのネットを介したサービスでNPSスコアが高い傾向にあることが明らかになっています。

対面証券

NPS -53.9ポイント

電力

NPS -48.3ポイント

クレジットカード

NPS -38.7ポイント

アパレルECサイト

NPS -20.1ポイント

ネットスーパー

NPS -14.3ポイント

通販化粧品

NPS -12.0ポイント

自社のNPS スコアの読み解き方

NPSを導入したものの「スコアが低い」と感じる人も少なくないのではないでしょうか?

実際のところ、NPSスコアは単に“高ければ良い”というものではありません。自社のスコアを正しく読み解くためには、業界平均との比較や過去の推移の把握、さらに顧客からの自由記述コメントとの組み合わせが欠かせません。

このセクションでは、自社のスコアをどう受け止め、どのように活用すべきかをわかりやすく解説していきます。

スコアの絶対値だけで判断しない

日本では、極端な評価を避けて中間の6〜8点を選ぶ傾向があり、満足していても高得点をつけにくい文化があります。

NPSでは0〜6点が批判者としてカウントされるため、実際の印象よりスコアが低く出ることがあります。スコアの絶対値だけで判断せず、スコアの背景や顧客コメントとあわせて読み解く視点が重要です。

業界平均・自社の過去スコアと比較する

NPSスコアは、単独で見ても評価が難しいため、業界の平均値や競合他社、自社の過去データとの比較が重要です。

例えばある業界では、スコアが0でも平均以上というケースもあります。また、前年からの改善傾向が見られるなら、たとえスコアがマイナスであっても前向きに評価できます。数値の変化や相対的な位置づけを見ることで、より実践的な指標として活用できます。

自由記述の回答と合わせて分析する

NPSは数値だけでなく、顧客からの自由記述コメントとあわせて分析することで、より深い洞察が得られます。

スコアが低くても、コメントに改善のヒントや前向きな声が含まれていれば、貴重なフィードバックとして活用できます。逆に高スコアでも不満の声が含まれていれば注意が必要です。数値とコメントの両面から読み解くことで、真の顧客体験を把握できます。

NPSスコアを改善するには?

NPSスコアを向上させるには、調査結果をもとに課題を見つけ、サービスや対応の改善につなげていくプロセスを踏んでいきます。

特に批判者の声に耳を傾け、小さな不満を早期に解消することが鍵となります。アンケート設計やフォローアップの方法を工夫することで、NPSは着実に改善可能です。

具体的な改善方法については、以下の記事「NPS スコアを改善する方法とは?」で詳しく解説しています。

米国・グローバルの業界別NPSスコア目安

NPSの基準値は国や業界によって大きく異なります。米国では、たとえばEコマースや小売業はスコアが高く出やすく、平均で40〜50前後。一方、通信業界や保険業界では10前後、あるいはそれ以下になることもあります。

こうしたグローバルなスコアは、自社の立ち位置を把握するための目安になりますが、文化や顧客層の違いもあるため、日本国内での活用時には参考程度に留めるのが得策です。

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方 為替 金融

金融業界

金融は信頼性と顧客サービスが重視される一方で、評価がわかれやすい業界です。

この業界のNPSスコアの基準値は、15〜35程度です。高評価を得ている金融機関では40以上のスコアも見られます。

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方 プログラム IT

IT・テクノロジー業界

日本のIT・テクノロジー業界では、優れたユーザーエクスペリエンスと技術サポートが評価に影響します。

この業界のNPSスコアの目安は、平均して30〜50です。トップ企業では50以上を目指すことが一般的です。

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方 小売業界 スーパー

小売業界

小売業界のNPSスコアは、商品品質とサービスの質、顧客体験の良し悪しによって決まります。

一般的なスコアの目安は40〜50です。優れた顧客サービスを提供する小売企業では45以上を目指すことがあります。

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方 旅行業界

ホスピタリティ・観光業界

ホスピタリティ・観光業界では、接客や施設の清潔さ、顧客体験が評価されます。

この業界のNPSスコアの目安は、40〜50です。高い顧客満足度を実現している企業では、55以上のスコアが見られます。

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方 ヘルスケア

ヘルスケア業界

ヘルスケア業界では信頼性と安心感が重要です。

この業界のNPSスコアの基準値は、30前後です。高い評価を受けている医療機関では、35以上のスコアも目標とされます。

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国内のNPS調査 設計のヒント

NPS調査を日本国内で実施するにあたり、文化的要因を考慮した実施のポイントを以下にご紹介します。

NPS調査 設計の工夫

日本の文化背景を考慮したNPS調査の設計の工夫には、以下のような点が挙げられます。

1.質問文を自然な日本語に

原文のまま「0〜10点で…」と聞くと、形式的に感じられ、回答が曖昧になりがちです。

たとえば「あなたはこの商品を友人にすすめたいと思いますか?」というように、口語に近い表現に調整することで、回答者が違和感なく意図をくみ取りやすくなります。

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2.評価スケールの意味を明示する

10点満点のスケールに慣れていない人にとっては、「何点をつければ良いのか」がわかりにくいことがあります。

「10=非常にすすめたい」「0=まったくすすめたくない」といったスケールの意味を一言添えるだけでも、回答の精度が高まります。

3.自由記述でスコアの背景を把握する

数値だけでは回答者の本音が見えにくく、誤解を招く恐れがあります。

特に日本では、やや低めのスコアでも満足している場合があるため、「そう感じた理由を教えてください」といった自由記述の設問をあわせて設置することで、真意を把握しやすくなります。

 

NPS調査の目安に関するFAQ

NPSスコアとはどのような指標ですか?

NPS(ネット・プロモーター・スコア)は、顧客が企業の製品やサービスを他人に推薦する意欲を測る指標です。0から10のスケールで評価し、推奨者(9-10)、中立者(7-8)、批判者(0-6)に分類します。スコアは推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値で表され、顧客の忠誠度や満足度を示します。

NPSスコアの平均はいくつですか?

NPSスコアの平均は国や業界によって異なりますが、日本の場合は評価の中間を選ぶ傾向や文化的背景の影響から、マイナス評価でも高い評価になる場合が多いようです。

グローバルでは0から30の間が普通とされており、30以上が良好なスコアと見なされます。70以上のスコアは非常に高い顧客満足度と忠誠度を示します。

NPSの数値の見方は?

NPSの数値は、顧客の忠誠度を示す指標です。スコアは推奨者の割合から批判者の割合を引いたもので、プラスのスコアは顧客の好意的な支持を示します。

0以上は肯定的、50以上は優れた水準、70以上は卓越した水準と評価されます。逆に、マイナスのスコアは改善が必要であることを示します。

顧客満足度とNPSの違いは何ですか?

顧客満足度(CSAT)は、特定の製品やサービスに対する満足度を測る指標で、顧客がその経験に対してどう感じたかを示します。一方、NPSは顧客が企業全体に対してどれだけ忠誠心を持っているか、他人に推奨する可能性があるかを評価する指標です。CSATは短期的な満足度を測るのに対し、NPSは長期的な顧客関係の指標です。

日本の文化を考慮した調査設計とは?

日本の文化を考慮した調査設計では、敬意を表す言葉遣いや礼儀正しさが重要です。また、日本の顧客は直接的な批判を避ける傾向があるため、質問の文言を慎重に選び、間接的な表現や肯定的な質問形式を使うことが効果的です。

また、選択肢に「普通」や「どちらとも言えない」を含めることで、回答者が率直に答えやすくなります。

目安を知り、文化的要因を考慮したNPS調査設計

NPS調査のスコア基準点と文化的要素の考え方

日本市場でNPS調査を効果的に活用するためには、文化的要因を考慮することが不可欠です。

集団主義、顧客満足度に対する期待、フィードバック文化の違いを理解し、調査設計やフィードバックの収集・分析を工夫することで、正確なNPSスコアを得られます。企業は顧客ロイヤルティを高め、競争力を強化するための具体的な改善策を導入しましょう。

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